みなさんこんにちは。今年の春から新生活をハノイで開始される方もいらっしゃると思います。ハノイに住んでいると、日常的に使う水道水の品質が気になるものです。特に水道水に含まれる塩素やマンガンの濃度は、健康にどう影響するのか、生活にどのような影響を与えるのか、気になるところですよね。今回は、ハノイの水道水に含まれる塩素とマンガンの濃度に関する基準や実態、そしてどのように対策を取るべきかを解説します。
まず、HANA STAYでは水道水が安全であるかどうか、定期的に検査機関にサンプルを出して調査を行っています。2025年4月に実施した検査の結果をみながら安全性や健康への影響について解説したいと思います。
実際のハノイの水道水の検査結果をみてみよう
検査物質 | 水道水 | 浄水器の水 | ベトナムの基準値 | 日本の基準値 |
---|---|---|---|---|
鉄 | < 0.01 mg/L | <0.01 mg/L | < 0.3 mg/L | < 0.3 mg/L |
マンガン | 0.016 mg/L | < 0.01 mg/L | < 0.3 mg/L | < 0.05 mg/L |
硬度 | 134 | 20 | 100-300 | 50-60 |
塩化物イオン濃度 | 91.46 | 29.09 | < 250 mg/L | 10-50 mg/L |
アンモニア | <0.01 mg/L | <0.01 mg/L | < 0.5 mg/L | < 0.5 mg/L |

鉄とマンガン濃度
鉄は「健康に影響を与えるもの」というより、「色、味、沈殿などにより水の性状に悪影響を与えるため」目標設定されています。鉄分が多すぎると、水が赤褐色になったり、金属味が出たり、水道管に**赤錆(さび)**が生じる原因となるため、この値が目安とされています。
今回の検査では水道水、浄水器の両方からも鉄は検出されませんでした。
マンガンは、自然に存在する金属で、地下水などに含まれることがよくあります。水道水にマンガンが含まれていると、水が黒ずむ原因になります。高濃度になると、金属の味や配管の腐食を引き起こす可能性もあります。季節による水質変動があるため、特に雨季には水質が悪化することがあり、そのため処理が重要です。マンガンの濃度が高いと、水道管内に黒い沈殿物が溜まりやすく、これが見た目や味に悪影響を与えることがあります。
今回の検査では、水道水で0.16 mg/Lが検出されましたが基準値を下回っており問題ないと思われます。また、浄水器の水からはマンガンは検出されませんでした。
水道水の硬度
ベトナムの水道水は日本に比べて硬度が高いことで知られています。ハノイの一般的な水道水の硬度は、100-300mg/L といわれ、中程度の硬水から硬水に分類されます。硬度は健康的に危険かどうか、問題ではありませんが、硬度が高いと、「石鹸の泡立ちが悪い」「慣れないと飲みにくい」「慣れないと肌や髪が乾燥した感じになる」などの特徴があります。
HANA STAYの浄水器は3層浄化システムで硬度を塩化ナトリウム吸着方法で下げ、軟水にしています。シャワーやお風呂の水も軟水なので使い慣れた軟水の水道水で肌や髪に優しい水が利用出来ます。
塩化物イオン濃度
ベトナムの水質基準(QCVN 01:2009/BYT)で250mg/Lが定められています。ハノイの平均は地域や季節によって変動しますが、30〜100mg/Lといわれていますが、今回の検査で水道水は91.46mg/Lと高めの数字が検出されました。塩化物イオン自体の健康リスクは低いですが、味がしょっぱく感じるなどの影響があります。浄水器の水は29.09 mg/Lと日本の水道水と変わらない検査結果でした。
アンモニア濃度
主に水道水に排水(生活排水・工業排水)が混入していないか確認するために検査をします。ハノイ周辺では、特に地下水利用地域でアンモニア濃度が高い傾向が報告されています。場所によっては0.5〜3.0 mg/Lを超えるケースもあります。今回の検査では水道水、浄水器の水ともに検出されませんでした。水道水の貯蔵タンクの場所や品質の影響も大きいので、施設できちんと水道水の安全の管理がされているかチェックすることも大事です。
ハノイの水道水を安全に使うために
水道水の基本的な安全性
ハノイの水道水は、基本的には消毒処理が施されており、飲用水としての安全基準を満たしています。塩素やマンガンの濃度も、国際的な基準に適合していますが、個人の感覚に合わない場合もあります。
どんな対策が必要か?
もし水道水の味や臭いが気になる場合、または**水の見た目(色や沈殿物)**が気になる場合は、浄水器の導入(特に活性炭フィルターやROフィルターが効果的)の対策を講じるとよいでしょう。
まとめ
ハノイの水道水は、塩素やマンガンの濃度が基準内であれば、安全に使用できます。しかし、味や見た目に不満がある場合は、浄水器を使うことで改善できます。特に塩素臭が気になる場合やマンガンの黒ずみが気になる場合は、フィルター付きの浄水器を導入することをおすすめします。
生活の中で安心して水道水を使うためには、こうした対策を講じることが大切です。
皆さんもぜひ、ハノイの水道水をもっと身近に、安全に使っていきましょう!