こんにちは。ベトナムの交通についてどう思っていますか?「バイクがたくさん」「ルールあるの?完全無視」「道路渡れない!こわい!」なんて声をよく聞きますね。日本は交通ルールを基本的に守ってお互い譲り合いの気持ちで運転していますね。しかしベトナムはどうでしょう?逆走当たり前、渋滞のときは歩道も走る、信号無視も普通っていう感じでしょうか。ここではベトナムで交通ルールについて知っておきたいポイントをご紹介します。
交通事故の件数と死亡者
2023年のベトナム交通統計によると、交通事故の発生数は11,450件。死亡者数は6,384人とのこと。ここで疑問?発生した交通事故の50%の人が死亡している計算になりますね。ベトナムで交通事故としてカウントされるのは大きな事故だけで、接触くらいではカウントされていないらしいです。ベトナムに住み、生活していると接触事故を見掛けることは少なくないです。交差点でのバイク同士の接触や車とバイクの接触事故は日常茶飯事です。ただ、交通量が多いので市内でスピードを出す車両もそんなに多くなく、比較的軽い事故が多いと思います。歩行者とバイクの接触も結構多いので、ベトナムに旅行などで訪れる際は十分注意していただきたいです。ちなみに日本の交通事故発生件数は30万件で死亡者は2,550人とのこと。(2022年)
ベトナムの交通ルールを理解することが大切
ベトナムの交通法規は複雑で、時には現地の法律に違反してしまうこともあります。交通事故にあう前に、ベトナムの交通法規をよく理解しておかなければ、安全な旅行ができず、警察に迷惑をかけることになります。特にベトナムでバイクを運転する際、外国人(日本人を含む)は交通法規を遵守することは必須です。その理由は次のとおりです。
- 安全第一: 交通法規に関する十分な知識があれば、事故のリスクを最小限に抑えることができます。
- 文化の尊重: ベトナムの交通ルールを尊重することは、旅行先に対する敬意を示す方法でもあります。責任ある旅行者であれば、旅行はより楽しいものになるでしょう。
- 緊急事態に対処できる: 旅行中の事故は緊急事態を避けることはできません。交通ルールをよく理解しておくと、緊急事態の解決が容易になります。
ベトナムでバイクを運転する前に準備すること
近年、YouTubeでバイクを運転して観光地をめぐる動画なども配信されています。ベトナムは都市部も田舎も魅力的な場所がたくさんあり、バイク付きにはたまらない道があります。ただ、運転すること自体を会社で禁止しているところもあるので注意が必要です。日本の免許を所持しているだけではベトナムで運転することは出来ません。運転をするには基本的にベトナムに居住していること、日本で自動二輪の免許をもっていることです。ブログ ”ベトナムでバイクを運転するのに必要なもの”で免許についてご紹介しているので興味のある方はこちらもご覧ください。
運転に必要なもの
- 運転免許証 : ベトナムの運転免許証が必要です。在留資格(TRC)を持っていて、日本の二輪自動車(中型以上)をお持ちであればベトナムの免許証を発行してもらえます。
- 身分証明書 : パスポート、TRCなど顔写真の添付された身分証明書を運転時には所持していることが必要です。
ベトナムの交通規則は、交通警察がいつでも車両を停止し、書類を確認することが出来るとなっています。ベトナムで運転ときは、必ず有効な運転免許証とパスポートを常に携帯してください。外国人か現地人かに関係なく、交通警察が書類をチェックするために突然停止を求めることがあります。また、ベトナムの交通法規に誤って違反した場合も例外ではありません。
交通警察は、手続きに従って、運転免許証やパスポートなどの関連書類の提示を求めます。これらの書類を持参しないと、言葉の理解など複雑な問題が発生して、警察は問題を解決するために警察署に来るように求める場合があります。
乗車中は必ずヘルメットを着用してください
バイクの運転の際は、ヘルメットを着用する義務があります。ヘルメットはベトナムの交通法規を遵守するためだけでなく、交通事故のとき、怪我を軽減したり頭部を保護するためにも必要です。レンタカーを借りる際には、貸主がヘルメットを提供します。
運転中にヘルメットを着用しないドライバーは、道路交通法に基づいて行政罰金の対象となります。罰金は 200,000 VNDから 300,000 VNDの範囲と決められています。
運転時に注意すること
交通ルールの違いについて
道路標識
ベトナムの道路標識は国際標準の標識を採用しているので日本でみる標識の意味と同じなのでわかりやすいと思います。
右側通行
ベトナムは日本と違い、右側通行です。
右折
勘違いしている人も多いですが、信号機のある交差点で右折は常時可能ではなく、右折誘導路がある場合、右折常時可能の標識がある場合です。そもそも信号無視してる人がいるのでわかりづらいですが、安全のため赤信号で右折が不可のところは停止してください。信号無視して右折してくる人のために右側を少し空けておいた方が良いでしょう。
黄色の斜線(アミ目)は停止不可
バス停や常時右折可能レーンなどの場所、学校や消防署、警察の入り口などにあります。ここは駐停車不可の場所です。
左から追い越しをすること
混雑時や市内の一般道では右から追い越しもしていくこともありますが、ルールは右側からの追い越しは禁止されています。(2車線などの一部道路は可能)追い越しをする場合は左側からしましょう。
自動車専用道はバイク走行不可
ノイバイ空港からハノイ市内に向かう高速道路など、二輪車が走行出来ない道があります。また、Thang Long橋は二輪車は自動車用の道路は走行出来ません。二輪車専用の側道を利用する必要があります。
左折時の待機場所
左折時の対向車待ちは場所によって中央線よりではなく、右によってした方が良い場所があります。自分が直進走行しているときに右側から左折してくるバイクもあるので注意が必要です。
運転マナーが悪い
普段は思いやりがあり、親切なベトナム人なのになんで運転になると運転マナーが悪くなるのか不思議。郊外に行くと対向車にはみ出し、パッシングとクラクションでバイクが来ているのにもかかわらず追い越ししてきます。大型トラック、バスは対向車はみだし運転し放題なので郊外をバイクで走行するときは特に注意が必要です。カーブで見通しが悪くてもお構いなしなので自分の身をまるためにも注意が必要です。
スピードを出しすぎに注意してください
安全な速度で運転してください。交通標識で最高速度が表記されている場合は守ってください。2023年のベトナム交通規則によると、バイクと車の最高速度は地域によって異なり、具体的には次のようになります。 郊外に出ると、人口密集地域と人口密集地域外は下の標識が掲示されています。
人口密集地域(ハノイ、ホーチミンなどの都市部)におけるバイクの最高速度:
- 複線、2車線以上の自動車専用道路:時速60km。
- 双方向道路、1車線のみの一方通行道路:時速50km。
人口密集地域以外でのバイクの最高速度:
- 複線、2車線以上の自動車専用道路:時速70km。
- 双方向道路、1車線のみの一方通行道路:時速60km。
人口密集地域(高速道路を除く)における自動車の最高速度:
- 複線、2車線以上の一方通行道路:時速60km。
- 双方向道路、1車線のみの一方通行道路:時速50km。
人口密集地域以外(高速道路を除く)での自動車の最高速度:
- 複線、2車線以上の一方通行道路:時速90km。
- 双方向道路、1車線のみの一方通行道路:時速80km。
ベトナムでは、交通警察が道路の両側にカメラとスピード ガン速度違反の取り締まりを常に実施しています。適正な速度で運転すれば、自分や他人を守り、公共交通機関の秩序を保つことができます。チェックポイントのシステムがスピードの出し過ぎを検知すると、かなり重い罰則が科せられます。
乗車定員
ベトナムの交通規則によると、バイクに乗車できる人数は大人は最大 2 人です。例外的な場合 (病人を病院に搬送する場合、犯罪者を処罰する場合、14 歳未満の子供など) は、バイクに最大 2 人まで追加乗車できます。この規則を守って、公共交通の安全を確保することにつながります。
安全な車間距離を保つ
安全な車間距離を保ってください。速度に応じて、安全な車間距離があります。急に前方の車がブレーキを踏んだときに対処できる車間距離を保ってください。これは、重い罰則が科せられる違反の 1 つであり、罰金に加えて、運転免許を剥奪されることもあります。ベトナムの交通規則によると、2 台の車両の間には、次のとおり、最低限の安全な車間距離が決められています。
- 時速 60 km で走行する車両: 2 台の車両間の最小安全距離は 35 m です。
- 時速60~80kmで走行する車両:最小安全距離は55mです。
- 時速 80 ~ 100 km で走行する車両:最小安全距離は 70 m です。
- 時速 100 ~ 120 km で走行する車両:最小安全距離は 100 m です。
運転中はスマートフォンやその他のオーディオ機器を使用しないでください
ベトナムでよく見掛ける「ながら運転」。自動車もバイクもスマホを操作しながら運転しているところをよく見かけます。しかしベトナムでは、運転中に電子機器を使用することは禁止されています。携帯電話やその他の機器を使用すると、運転に集中できなくなります。これは、交通事故など、多くの深刻な結果をもたらします。交通中に集中力を欠くことは、自分だけでなく、他の人にも影響を及ぼします。
2008年ベトナム道路交通法第30条第3項C項によると自動車、二輪車、三輪車は運転中は補聴器以外のオーディオ機器を使用することも禁止されています。したがって、車両運転中にヘッドホンを使用することは違反とみなされます。罰金に加えて、ヘッドホンを使用する運転者は、運転免許証を1か月から3か月取り消すという追加の罰則も受けます。
信号に十分注意してください
ベトナムで運転する場合、都市部には信号がたくさんあります。ほとんどの信号にカウンターが付いていて赤になるタイミング、青になるタイミングを教えてくれます。これらの信号は交通を誘導し、交通渋滞を防ぐのに役立ちます。交通の流れをスムーズにし、事故を回避することができます。信号を無視したりすると厳しい行政罰の対象となります。
ベトナムの交通規則によると、信号が赤の場合は停止しなければならず、信号が緑の場合は走行出来ます。(日本と同じ)黄色信号がないところが多いです。ベトナムのドライバーの中には、青信号のカウンターが少なくなったり、黄色信号のときには赤信号が近づいているから急いで走れという合図だと考える人がいますが、これはまったくの間違いです。交通警察に拘束され罰金を科せられたり、悲惨な事故を引き起こしたりする可能性があります。
飲酒後は絶対に運転しないでください
運転前にアルコールや違法薬物を使用することは、ベトナムでは厳しく禁じられています。これは、あなただけでなく、他の人にも深刻な影響を及ぼします。アルコール制限は、血中アルコール濃度 50mg/100ml 未満です。ベトナムの交通規則によると、運転の際に血中アルコール濃度が高すぎる場合の罰金レベルは非常に高く、罰金は 200 万 VND から 4,000 万 VND の範囲になります。最近では飲酒運転チェックが頻繁に実施されています。ここ数年で飲酒運転による死亡事故が増加している影響でベトナム人にも飲酒運転はダメなことだと浸透しつつあります。(5年前は飲酒運転は悪いと思っている人は少なかった)飲酒運転が発覚した場合は、例外なく重い罰則が科せられるので注意してください。
駐車スペースの確保
規則に従ってバイクを駐車することは非常に重要で、交通がスムーズに行われることに貢献します。ベトナムの交通規則によると、歩道や歩道の近くに駐車しないでください。となっていますが実際のところはご存知の通り、歩道が歩けないくらいにバイクが駐車されているのを見かけます。お店やレストランを利用のときはお店の前にいる警備員に声をかけてください。駐車する場所に誘導してくれたり、駐車券を発行してくれます。駐車場を利用する場合のバイクの駐車料金は5,000ドンから10,000ドンが一般的です。
まとめ
ベトナムは公共交通機関が発達しておらず、移動はタクシー、グラブなどの車両がメインとなります。自分でバイクを運転しることが出来れば行動の幅も広がり、生活もより楽しくなるでしょう。ベトナム人にとってバイクは生活に無くてはならないものになっていて、最初ベトナムでみるバイクの数でびっくりしますが、その中には絶妙なルールがあります。安全運転すること、ルールを守って運転すれば新しい発見があるかもしれません。