ハノイ・ホーチミンの賃貸物件検索サイト

+84 024 3795 4290
日本語直通

Home » 実用ガイド » ベトナムのテレビ放送事情|日本人が知っておきたい視聴方法とおすすめサービス
ベトナムのテレビ番組の視聴について

ベトナムのテレビ放送事情|日本人が知っておきたい視聴方法とおすすめサービス

目次

みなさんこんにちは!今日はベトナムのテレビ事情についてお話しさせていただきます。ベトナムに赴任されている日本人は30歳以上がほとんど。日本では若者のテレビ離れが話題となっておりますが、我々世代はまだまだテレビ好きの方が多いと思われます。仕事終わりの晩酌しながらのプロ野球中継やドラマ、NHKのニュースや朝の情報番組など日本に滞在中は生活の一部となっていたテレビ。ここベトナムでも同じように日本のテレビが見たい!と思われている方も多いです。
そこで、今日はベトナムのテレビ放送、ケーブルテレビなどのサービスから日本のテレビ番組の配信サービスについてご紹介いたします。

ベトナムの地上波テレビ放送について

ベトナムでは国営のVTV(ベトナム国営テレビ)が全国放送を担っており、チャンネルはVTV1からVTV9まで多岐にわたります。VTV1がニュース総合、VTV3がスポーツ・娯楽、VTV4が国際向け(海外在住者向け)など、日本のNHKに相当する全国チャンネルが揃っています。例えばVTV4では日本語ニュースも週1回放送されるほどで、海外向けの番組編成もあります。これら地上波は基本的に無料で視聴でき、現在はデジタル放送(DVB-T2方式)に移行済みです。新しめのテレビならチューナー内蔵でアンテナ接続するだけ、古いテレビでもセットトップボックスを設置すれば地上波を受信できます。

主要都市には地方局のチャンネルも存在します。たとえばホーチミン市のHTV(ホーチミン市テレビ)はHTV7(総合エンタメ)とHTV9(ニュース・情報)などを放送しています。HTV7ではバラエティ番組やゲームショー、HTV9では市政ニュースや政府関連情報と、日本で言う地方局+行政広報チャンネルの役割です。ハノイ市にもHanoiTV(通称HTVではなく「ハノイTV1・2」など)があり、地域ニュースやローカル番組を放送しています。いずれも放送言語はベトナム語が中心ですが、映画放送時にはベトナム語字幕が付くなど外国作品も楽しめます。ただし日本語音声や字幕は基本的にありませんので、視聴には言葉のハードルがあります。

ケーブルテレビと主な有料サービス

ベトナムには多数のケーブルテレビ・IPTVサービスがあります。代表的なのは次のようなものです。

  • K+(ケープラス) – ベトナムの衛星テレビ兼ケーブルサービスで、特にスポーツ中継に強いです。欧州サッカー(プレミアリーグ等)の独占放送権を持つチャンネルK+ SPORTなど4つの専門チャンネルを運営しており、スポーツ好きには定番です。料金はスタンドアロン契約だと月額約17.5万ドン(約1,000円)前後ですが、年契約で月15.5万ドン程度に割引もあります。他社IPTVに追加パックとしてK+チャンネルを組み込む場合も多く、その場合は月額約12.5万~14万ドンが相場です。
  • FPT Play – ベトナム大手通信FPT社が提供するIPTV/OTTサービスです。光インターネットとセットで契約するケースが一般的で、専用の「FPT Play Box」またはスマートTVアプリで視聴します。国内外の数百チャンネルに加え、映画やドラマのオンデマンド配信も充実しており、言わば「ベトナム版ひかりTV+Netflix」といったサービスです。料金プランはインターネット回線込みで月18万ドン(900円)程度からで、家族向けパッケージでも月30万ドン台(1500円程度)と比較的リーズナブルです。FPT Play上でK+パックを追加購入することも可能で、その場合は別途月17.5万ドン(約875円)が加算されます。スマホやタブレットのアプリからも視聴でき、外出先での利用も簡単です。
  • MyTV – 国営通信VNPTが提供するIPTVサービスで、VNPTの光回線を契約するとオプションで利用できます。基本パッケージ(約160チャンネル前後)は月5万~10万ドン程度と格安(プロモーションで実質無料になることも)で、ニュース・ドラマ・音楽・キッズなど国内外の番組を網羅しています。さらに有料でK+のスポーツパック(月14万ドン程度)や映画専門チャンネルを追加可能。MyTVは設置工事もシンプルで、VNPTからセットトップボックスを受け取り自宅のモデムに繋ぐだけで視聴開始できます。ベトナム語メニューですが日本人でも直感的に操作可能です。

※この他にも地元ケーブル局(サイゴンツーリスト系列のSCTVや、ViettelのTV360など)がありますが、上記が日本人駐在員には利用例の多い代表格です。料金相場は基本サービスで月5万~15万ドン程度、プレミアチャンネル追加で月10万ドン超が目安となります。いずれも日本のケーブルテレビに比べ割安で、CNNやHBOといった英語チャンネルも充実しています。反面日本語の番組は皆無で、NHKワールド(英語版)やアニメ専門の英語放送が見られる程度です。

日本人向けテレビ配信サービス「BBMAX」と「THANH NGA」

日本のテレビ番組をリアルタイムで視聴したい場合、上記のローカルサービスだけでは物足りません。そこで駐在日本人の多くが利用しているのが、日本のテレビ番組配信サービスです。ベトナム国内で契約でき、日本の地上波やBS放送をインターネット経由で視聴できるもので、代表的なサービスに「BBMAX」「THANH NGA」(タン・ガ)があります。

両者とも日本語放送を専門に扱っており、日本にいるのとほぼ同じ感覚でテレビが楽しめます。ただサービス内容に若干の違いもあるため、以下で比較してみましょう。

BBMAX vs THANH NGA サービス比較

【日本人向けテレビ配信サービスの主な比較】

項目BBMAXTHANH NGA
チャンネル数約63チャンネル
(民放キー局+BS主要局など)
約80~100+チャンネル?
(NHK・民放に加えJ SPORTSや地域局含む)
月額料金約1,040,000ドン(約45ドル)
※6ヶ月・12ヶ月契約で割引あり
プランにより約700,000~800,000ドン前後?
※要問い合わせ(競争価格を掲示)
無料お試し1週間視聴トライアルありデモ視聴可(要連絡)※お試し期間は短めとの情報も
視聴方法専用チューナー機器を貸与(手のひらサイズのSTB)
テレビやモニターに接続しリモコン操作。スマホ・PC視聴も可。
専用セットトップボックスを設置(基本無料貸与)
リモコン付属。スマホ・タブレットアプリでの視聴にも対応。
主な機能・2分遅れのほぼリアルタイム配信
・過去1週間分の全番組録画/タイムシフト視聴
・高画質フルHD配信(要10Mbps回線)
・上位プラン契約で日本VPN接続サービス付き
・リアルタイム配信+番組表からの予約録画機能
・最長過去30日間の番組見逃し再生に対応
・フルHD画質配信・安定動作を謳う(要2Mbps以上)
・多彩なチャンネル編成(関西ローカルや専門チャンネルまで網羅)
サポート対応日本語スタッフ常駐、設置サポートも日本語OK
契約期間の縛りなし(違約金なし)、未使用期間の返金対応あり。
ベトナムの通信会社系サービス。日本語対応は限定的だが、全国サポート体制あり。トラブル時の訪問サポートも迅速(最長4時間以内)とPR。

(※THANH NGAの具体的なチャンネル数・料金は契約内容によりますが、ユーザー評判では「チャンネルがとにかく多い」「月額料金はBBMAXより安い」という声が多いようです。)

ご覧のように、BBMAXは画質や安定性、日本語サポート面で安心感抜群です。その分料金は割高ですが、専用回線を日本~ベトナム間に引いており「映像が途切れたことが一度もない」という評判もあります。一方のThanh Nga(タンガ)はベトナムの企業が提供するIPTVサービスで、チャンネル数の多さと割安な価格が魅力です。たとえばNHKや民放だけでなく読売テレビ・毎日放送など日本各地のローカル局や有料チャンネル含め100局以上を視聴でき、過去番組も1ヶ月遡って楽しめるなど機能充実。コストを抑えて日本のテレビ網にどっぷり浸かりたい方には有力な選択肢でしょう。

どちらを選ぶべき?という点については、重視ポイントで異なります。「とにかく高画質で安定した視聴」を求めるならBBMAXが適しています。逆に「チャンネルは多いほど嬉しい、料金も抑えたい」ならThanh Nga系サービスが良さそうです。日本テレビ番組の視聴サービスについては物件側がサービスを提供する場合がほとんどなので、気になる方は内見時に確認をすることおすすめします。を利用して比較してみるのもオススメです。

サービス利用時に起こりうるトラブルと対策

日本のテレビ配信サービスを使う上で注意したいのが、通信環境機器トラブルです。

まず通信環境ですが、どのサービスもインターネット回線の品質が命です。ベトナムでは光ファイバー網が普及しており速度自体は概ね高速ですが、マンション共有回線の場合は夜間に速度低下する例もあります。BBMAXではフルHD視聴に最低10Mbps程度を推奨しており、Wi-Fiより有線LAN接続が安定します。ネット回線が不安定だと映像がカクついたり音声が途切れたりする可能性があり、特にThanh Ngaなど一般のインターネット経由サービスでは通信混雑時の画質低下は避けられません。対策として、プロバイダを選ぶ際に評判の良いFPTやVNPTを使う、ルーターを高性能なものに変える、視聴中は他の大容量通信を控える(他の家族が動画を同時にアップロードなどはNG)といった工夫が有効です。

機器面では、セットトップボックスやチューナーの取り扱いに注意しましょう。基本的に電源とHDMIを繋ぐだけですが、稀にフリーズすることもあります。その際は再起動(電源を入れ直す)すれば大抵直ります。またリモコン操作が効かない場合は電池切れや受光部の障害物確認など基本的な点検を。設置直後によくあるのが「テレビの入力切替忘れ」なので、HDMIポートにあった入力に切り替えているか確認してください。Wi-Fi経由でSTBを繋いでいる場合は電波強度にも気を配りましょう(可能なら有線接続がベターです)。

ケーブルテレビ系サービスでは、物理的な配線や設備トラブルも起こりえます。例えばK+を個別に契約した場合、ベランダ等に設置するパラボラアンテナの向きがズレると受信不良になります。強風でアンテナが動いてしまった際は業者に再調整を依頼する必要があります。またMyTVやFPT PlayなどはプロバイダのモデムとSTBの接続が前提なので、引っ越し時には機器一式を持っていき再セッティングが必要です。賃貸物件によってはあらかじめオーナーがケーブルテレビ加入済みの場合もあり、その際は利用方法を確認しましょう(サービスアパートでは日本のNHKプレミアムが見られる所もあります)。

NetflixやDisney+などネット配信サービスの視聴方法


近年はNetflixやDisney+といった動画配信サービスを利用する方も多いですよね。ベトナムでももちろん利用可能ですが、日本とコンテンツの中身が異なる点に注意が必要です。

まずNetflixですが、アカウント自体は日本で登録したものをベトナムでもそのまま使えます。ただし視聴できる作品はベトナム版のライブラリに切り替わります。たとえば日本では見られないスタジオジブリ作品がベトナム版では見放題になっている一方、日本のテレビドラマの多くは配信されていないといった具合です。言語設定で音声・字幕を日本語に切り替えれば、日本語対応作品も探せますが、日本のNetflixで見られたコンテンツが国外では権利上ブロックされるケースもあります。逆にベトナム版Netflixには日本未配信のアニメがあったりするので、一長一短ですね。

Disney+(ディズニープラス)についても、2023年よりベトナムで正式サービス開始済みです。ただ、日本のDisney+アカウントを持っていても、そのままでは日本版オリジナルコンテンツ(スターウォーズのスピンオフや一部の国内向け作品など)が見られない場合があります。基本的にDisney+も居住国に応じたコンテンツ提供となり、「視聴可能な作品は地域によって異なる」と公式にも明記されています。実際、海外から日本版Disney+にログインして日本限定作品を見るにはVPN接続で日本のサーバー経由にする必要があると案内されているほどです。そのため、日本で契約したDisney+をベトナムで開くと自動的にベトナム版にリダイレクトされ、日本語字幕が選べなかったりする可能性があります。

NetflixやDisney+は「世界どこでも同じアカウントで利用できるが中身(作品ラインナップ)は現地仕様になる」と考えてください。日本のコンテンツをそのまま楽しみたい場合、対策としてはVPN(仮想プライベートネットワーク)の利用があります。VPNで接続先を日本に設定すれば、日本国内からアクセスしているように見せかけて日本版の配信が視聴できます。実際、海外駐在員の間ではVPNを駆使してTVerやHulu、Abemaなど日本限定サービスを楽しむ人も多いです。もっともNetflixやDisney+はVPN接続を検知すると視聴を制限することもあり、利用は自己責任になります。またVPN経由だと速度低下することもあるので、高画質でストレスなく見たいなら素直にベトナム版の配信に慣れるのも一つです。

その他の注意点(VPN利用・録画・字幕など)

最後に、ベトナムでテレビ視聴をする上での細かな注意点をいくつかまとめます。

  • VPN利用の是非:先述の通り、日本のサービスを使うためにVPNは有効ですが、一部の配信元はVPNを禁止しています。NetflixもVPN経由だと一部作品しか見られない仕様です。契約上グレーになる可能性もあるので、利用規約をよく確認しましょう。また公共の場でVPN接続するとネットバンキング等に影響が出る場合もあるのでオンオフをお忘れなく。
  • 録画・タイムシフト:ベトナムの一般的なケーブルテレビやIPTVには、日本のようなHDD録画機能は基本ありません。MyTVなども一部チャンネルで直近数日分の見逃し視聴が可能な程度です。その代わり日本人向け配信サービスでは自動録画/タイムシフト機能が充実しており、BBMAXは全チャンネル1週間、Thanh Nga系では最大1ヶ月の録画ストックがあります。リアルタイム視聴にこだわらず好きな時間に追っかけ再生できるのは大きな利点です。ただしローカル番組(VTVやHTV)には当然ながら録画機能はないので、生放送を見逃したら再放送を待つかYouTube公式アーカイブを探すしかありません。
  • 字幕・言語の壁:ベトナムのテレビ番組は基本ベトナム語です。外国映画にはベトナム語字幕が付く場合もありますが、日本語字幕はまずありません。逆に日本の番組配信サービスでは全て日本語そのまま放送なので、日本語が分かる人には快適ですが、現地の家族や友人と一緒に観るには向きません(ベトナム人には字幕がなく内容が分からない)。国際結婚などで「日本の番組をベトナム人配偶者と楽しみたい」という場合、Netflixのように多言語字幕対応のコンテンツを探す方が良いでしょう。Netflixベトナム版では日本のアニメにベトナム語字幕が付いていることもあり、意外な共通体験になるかもしれません。
  • 著作権とグレーゾーン:駐在員向けの日本のTV配信サービスは便利ですが、日本国外で日本の放送を再配信する仕組み上、厳密には権利関係がグレーと指摘する声もあります。しかしベトナム在住邦人のコミュニティでは広く受け入れられており、8年以上の実績を持つサービスも存在します。利用者としては深く気にしすぎず、ルールを守って個人視聴する限り問題視されていない状況です。ただ録画データの無断転用や他者への再配布は厳禁です。

以上、ベトナムのテレビ事情について、ローカル放送から日本人向けサービスまで幅広くご紹介しました。現地にいながら日本と同じ番組が見られるのは本当にありがたいことで、日本を恋しく思う駐在員には心強いサービスです。これから渡越される方や、テレビ環境を整えようと検討中の方は、ぜひ本記事を参考にご自身に合った視聴スタイルを見つけてください。慣れない土地でもお気に入りの番組がそばにあれば、きっとホッと一息つけるはずですよ。楽しいベトナム生活&TVライフをお過ごしください!